埋め草架空対談19

B しかし現状をみてみれば一目瞭然です。現在、国際宇宙ステーションへは、人は狭苦しいソユーズ使っているし、荷物は日本やアメリカの無人機で運んでいる。なにも高級ベンツを、トラック代わりに使う必要はなかったことになる。
C なるほど、わかりやすい。でもこの対談のもともとの主旨は、カテゴリーが「本」になっているように、Bさんの書いたなんちゃって小説についてお話を伺うことだったように気がするんですが。
B はい、そうですよ。その話をしているつもりですが、わかりませんか。
C かいもく、わかりにくい、です。
B では端折りましょう。私の今後書きたいというのは、このスペースシャトル計画の根本的な欠陥が判明して、さっさと撤退していたら、時代はどうなっていたのかという世界を背景に持つ物語なんです。その中で、すでにどこかでいったように、マコトくんや小さなおじさんや、管制官、青木くん、そして彼らの息子や娘たちが活躍します。
A やっと本題に戻ったようですね。
B 思えばスカイラブというのは、まさに人と荷物を分離して運んだシステムでした。まず荷物であるスカイラブをサターン5型で上げてから、人をサターン2Bで運んだのですから。最初から共に上げていたら、あの致命的なトラブルを解決することもなかったはずです。
A あいたた、また戻ってしまった。