散歩あゆめず08

 だいだいの「公道散歩」の出発場所と解散場所は、まず公園ということになっている。そのおかげで、ずいぶんと都内の公園の場所を覚えた。
 代々木公園、明治公園、宮下公園、日比谷公園檜町公園といったあたりはメジャーだが、清水谷公園、常盤橋公園、一の橋公園などは知る人ぞ知るといった感じか。
 こんなことでもなければ、一生行くこともなかった場所。そんな公園と公園の間のちょっとした距離をゆっくりと歩きつつ、いつもと違った視点から眺める「公道散歩」は、また健康にいい都内観光でもあった。
 あっそうそう、一昨日あたりに書いた日の丸を掲げた参加者の件だけれど、そういったことはすでにベ平連ベトナムに平和を! 市民連合)の頃に解決していたはずなのだ。どこかの文献で読んだことがあるけれど、それによると、ベ平連当時もやはりデモに日の丸を持参した人がいてひと悶着あった。しかし参加者はそのテーマにのみ賛同していればいいはずだ、という当然の結論に達したはずだ。
 そしてまた別の問題として起こったのが、参加団体同士の中傷で、それも結果として中傷を止めない団体がその場を去るということになった。その伝でいえば、日の丸青年を取り囲んで排除した人たちこそ、去らなければならないことになる。
 それももう四半世紀前のこと。あの青年も立派な中年になっているはずだ。彼が今日、またここに来てくれていたらうれしい。
 スピーカーから流れる声がおじさんに代わった。広瀬隆さんだという。人の波に混じって、また第2ステージのほうに向かった。これだけの人数だ。今のうちに動いておかなければ、あとで身動きが取れなくなるかもしれない。これもまた一人参加の醍醐味である。人の流れはゆったりとしている。でも焦ることはない。それは確実に動いているのだから。