散歩あゆめず14

 そして私を含むかたまりは明治通りを越えた。
 横断歩道の前で信号待ちをする人たちとデモ隊との間を、数人の警官が黄色いテープで遮る。歩道と車道、この1メートルにも満たない隔たり。それをその黄色いテープが強調しようとする。
 かつてベ平連の時代には、少人数のデモが道中どんどんと人数を増していったことがあるという。そのテツを踏むことを恐れているのだろう。
 しかしほんとは隙間だらけ。だからそこをスルリと抜けてごらん。そうすればまた違った風景が見えてくるはず。それはたぶん、テレビの前やパソコンの前で、いろいろと揶揄することに忙しい人には、決して見えないはずの、何かだろう。
 てなことをいっておきながらも、ところで、明治通りから青山方向への表参道は年々坂道が急になっていく、のを感じた。これではちょっと解散地点の明治公園まではもちそうもない、ということで、申し訳ないが、コノ年寄りは表参道駅近くでリタイアするとなった。これが今回の「散歩あゆめず」の由来。
 そして銀座線に乗るも、行き先を間違えそうになり、ヘロヘロで帰宅。一風呂浴びて息を吹き返しニュースを見ると、まだ行進の一部は明治公園に到着していなかった。