ソラリスのストーカー06

 つまりこの数十年でハリーはどんどんと若くなっていく(あくまで個人の妄想です)のに対し、クリスはほぼそのまま年齢ということになる。
 ちなみにクリス役のドナタス・バニオニスは制作年に48歳だったようだ。ハリーの父親といってもいい年代ということになるが、最初はそれがそれほど不思議ではなかった。しかしどうやら今回の映画素材は、うまくそのことに違和感を生じさせている。 
 さらに画質はハリーの肌や声だけでなく、もともと気になっていた細部も明らかにしている。図書館の壁にあるブリューゲルの5枚の絵などは、静止画像にしなくてもどうにかどれがどれなのかわかるほどである。またさらに細かいことをいえば、クリスがたたずむ前のアンドレイ・ルブリョフの三位一体像の色合いや、図書館のシーンでのクリスやスナウトのネクタイの柄もよく見える。
 ただし、これはもちろんDVDと比較した私の印象を述べただけだし、さらに今回の試写がスクリーンではなく、家庭用の大型ディスプレイによるものだったので、ユーロスペースなどで上映される画像とは異なっている可能性もある。
 そのタルコフスキー映画祭が4日から始まる。
 字幕についてはまた明日。