おっと、気づいてみれば03

 ウチには2冊の『全天恒星図』がある。
 高校時代に買った1950年分点の『最新版 全天恒星図』と、なぜか仕事に紛れて買った2000年分点の『全天恒星図2000』がある。ともに誠文堂新光社刊だ。
 分点としては半世紀の幅があるが、奥付は前者の第1版が昭和43年で、買ったのは第4版の46年、つまり1968年と1971年となる。後者が同様に発行が1984年、買ったのが第7刷の1994年だ。
 よって本として作られた年月の幅はたったの16年しかない。そして個人的に買った歳月の幅は、ほぼ23年ということになる。50年の分点の差と比べると、これはいかにも不自然である。さて、どうしてこうなったのか。
 と、これといった理由もなく、『全天恒星図』の奥付からその発行された年や購入した版を抜き出してみたが、このことで当然のこととして気づくのは、1950年版がその分点となる年を過ぎてから発行されたのに対して、2000年版は分点の年のかなり前に出ているのだ。
 ちなみにこの『全天恒星図』は、天体観測の初歩的な道案内役として、望遠鏡、できれば赤道儀付きのそれを購入して、その道に踏み出した人のほとんどが購入したはずである。ただ星を見上げるだけなら、星座早見盤が役立つが、いざ星団や星雲を見るためには、これぐらいの星図が必要となる。
 ちなみに定価を見てみると、1950年版が1200円、2000年版が3204円プラス税となっている。ほぼ三倍だが、これがその時代の書籍の価格とシンクロしているかどうかはわからない。
 さて、また口上が長くなったが、それではこの2冊の星々ははたしてシンクロしているのだろうか。