九月のこと01

 某日、暑さにへこたれてなかなか行けなかった「大伴昌司の大図解展」に出掛ける。チケットは、日本SF作家クラブ事務局長の増田まさるさんから直々にいただいたもの。ありがたいことである。
 会場は弥生美術館、まずはそのレトロな佇まいがいい。展示物は大伴さんが構成した少年漫画雑誌のグラビアページの実物や版下、あるいは肉筆コンテを中心に、同人雑誌やSFシンポジウムのパンフレットなど並べられていて、まさに「あの時代」の氏の八面六臂の活躍のさまがよくわかる。
 帰りがけにそのプログラム代わりにと、『怪獣博士!大伴昌司「大図解」画報』を買い求める。それを眺めつつ思うのは、私が惹きつけられたのは、怪獣の内臓ではなくて、「二〇〇一年宇宙の旅」のディスカバリー号や宇宙ステーションの構造、そしてシービュー号の仕組み、さらに数多の秘密基地の「秘密」だったということ。
 そして再確認。私のSF的成分は漫画雑誌のグラビアページがなかったら、まったく発酵しなかっただろう。
 さて、帰りがけ、売店の下のほうを見ると、大き目のカネゴンの貯金箱があった。
 ううう、欲しい。
 でもこれを抱えて帰るのもちょっと、それにここで「これください」というのも恥ずかしい、と名残惜しくも彼を残して帰途に。その後日談はまた他日。