九月のこと03 星のない渋谷

 某日、といってももう一ヶ月以上前になるけど、創元SF短編賞関係の皆さんとの飲み会にツレも連れての参加。
 待ち合わせ場所は、トレンディな渋谷のオープンし立ての、えーとなんだっけ、ソライエ、ソラカラ、まあそんな名前の商業ビルのエントランス。なにせ初めてそのあたりに行くので、時間までオノボリサンよろしく店内を回流する。
 あっそうそう、かつての東急文化会館に繋がる渡り廊下状の通路は、封鎖されつつもまだ現存していた。あそこを通って私は、いったい何回、五島プラネタリウムに行ったことだろう。
 さて、エントランスに戻ると、すでに面々は集っている。笛地静恵さんや酉島伝法さんはすでに一杯やっているとのこと。いいなぁ。
 で、待つこと10分(やや少なめに表現しています)ぐらいで見事に全員集合し、幹事役の東京創元社の石亀さんを先頭にそのビルをグルリと回る。
 着いたのは、ブリティシュスタイル(だったかなぁ)のバーで、予約席は小さいテーブルがいくつか。でワレワレは松崎有理さんと石亀さんと席を同じうする。
 松崎さんからは某誌の表紙イラストへのアドバイスを求められるが、コチラはまったく絵心を持ち合わせていない。なので、やはりイラストレーターでもある向こうの席の酉島さんに聞いてみたらと彼の背中にバトンを渡す。
 石亀さんはその履歴をチェック。また別の場所でもそんなことをやったような記憶があるけれど、年寄りの戯言にお付き合いくだされ。
 そうこうしているうちに、某氏の略奪愛疑惑を引っさげて、テーブルに勝山海百合さんが登場。彼女とはSFセミナーでほんの少しお会いしただけだったけど、とてもフレンドリーで方で、無口なワレワレにいろいろと気を使って下さる。なんと生怪談までお話いただいて、珠玉のひととき。
 トイレ待ち行列では、チトと酉島さんに相談事。いや気持ちがすっきりしました。ありがとう。
 やがて夜は更けていく。今夜は某嬢も軟体動物にはならず。隅のテーブルは、学生サークルの論議のような雰囲気が熱きベールに包まれている。東京創元社の小浜さんの美声による谷崎の朗読にシビレつつ、会は大団円を迎える。
 帰りがけ、ちょっとテーブルが離れていた宮内悠介さんに挨拶すると、ミーハーなツレがさっそく握手を求めているって、おいおい。