霧のなかの土居まさる

固い決心しながらも、それといっしょに元旦と二日は明るいうちからビール。三日も夜からワインで、今年も三日間が過ぎてしまった。前にも同じようなことを書いたような気もするが、今年ももうあとわずか362日しか残されていないという現実に恐怖してしまう。固いモノがアルコールでドンドンと融解していくようだ。
 で、でも、あっそうか、今晩は四分儀座流星群とやらだ。確か前のオリオン座流星群のときはみごとに風邪をひいたから、注意しつつも上を向いていこう。 で、とつぜん思い出す。四十年以上前に友人と徹夜で空を見上げようとしたのは、この流星群の夜ではなかったのかと。
 その深夜、土居まさるのセイヤングを聴きながら、星が落ちてくるのを待ったが、やってきたのは星ではなく、霧が立ち込めてきて何も見えなくなり、家に戻って再びラジオを聴き続けた。
 そして朝方外を眺めると雪が積もっていたのだ。中学生にはそれもそれなりにうれしくて、外に飛び出すと、どこからか人懐っこい猫があらわれる。一枚もフィルムを使っていなかったカメラで、ソイツを撮影したのだけれど、雪の明るさにだまされたのか、露光時間は完全にアンダーだった。