雪だるま出没せず。

 散歩をする。凍った雪に滑らないようにヒョコヒョコ歩く。そんなタイトルのサリンジャーの作品があったような。
 昨日はツレが外に出たがったので、ほんの10分ほど公園を歩いた。キャッキャいって誰も踏み入れていない雪の原っぱを行く。そのあとをブルブル震えて追う。でも元気に雪だるまを作る親子連れは一組だけで、飛び回っていいはずの子どもたちの姿はなし。
 横なぐりの雪に、こちらもズボンが浸みてきて、コートも雪で覆われていく。おまけにどこかへ行っていたはずの咳が再発しだしたので、不満そうなツレをそのまま買い物に行かせて、自分はさっさと家へと戻った。
 しかし今日はいい天気。気が付けば公園には数えきれないほどの雪だるま。昨日の純白な雪のじゅうたんは、ぼろ雑巾のようになっている。そんな公園を横にみて、夕方図書館へと向かう。途中の小学校の校庭は、アレレ、ほぼ雪のじゅうたん状態で踏み荒らされていない。どうしたことだろう。ただ校舎近くだけに少し足跡があるだけだ。校庭に出ることを禁止されたのだろうか。その白さはこのまま溶かしてしまうにはもったいないくらいだ。帰宅途中の子どもたちは小さな広場を見つけては、そこで小さくはしゃいでいるだけだ。
 うーむ、昔の子どもは先生から何かいわれても、あの魅力に負けていたはずなのだけれど。雪の翌日、校庭に雪だるまがないのは、少しさびしい。