日曜の公園の怪獣たち

 公園を散歩しようと歩み出す。と、広場に小さな出店があった。
 ここは月に一度か二度、日曜日にフリーマーケットが開かれるのだが、このところの寒さのせいか、最近はずいぶんと出店数が少なくなっていて、この日はなんと一店だけだった。
 で、いままでは店の横を素通りしていたが、今回は足が停まった。というのも、地面に広げられた布の上に、ゴジラやシーボース、そしてレッドキングなどの怪獣のフィギュアが転がっていたのだから。
 よく見ると、もう一方の布にも変身モノのキャラが並べられているが、どれ一つとして知るものがない、というか興味がない。
 その点でいうと、こちらの怪獣シートにはチラリホラリとなじみの顔がある。それでもそういった連中は極めて少数派なのである。そう、私にとってのウルトラシリーズとはQとマンとセブンのみなのであり、怪獣映画もその時代に準ずるというわけなのだ。よってとうぜんのことながら、知らない怪獣もまた多すぎる。
 たまたま財布を持っていなかったので、呆れた顔で横にいるツレにいくばくを借り、上記の三体を購入。うむ、今日はいい日だ。
 そして夕方、何気なくテレビのリモコンで番組表を見ると、東京ローカルで「ウルトラマン」を放映しているではないか。チャンネルを合わせるとすでに半分ほど終わっていたが、当夜の出し物はスカイドンではあった。そうか、あのとても重い怪獣はそういう名前だったのか。そして全面コミカルタッチの展開を楽しむ。早田隊員がカレーのスプーンで変身しようとするのこの回だったことを知る。
 このようにして、突然のウルトラな夜は過ぎていくのであった。