もうポイントは付かない。

 というわけで、ダイヤ的には一時間ほど、私的には20分ほど遅れの、快速改め各駅停車新宿行に乗ったのだった。
 目指すは池袋のジュンク堂である。もちろん本を買いに行くわけだが、その前のことを少し書いておこう。
 実は少し前から何冊か欲しい本があったのだけれど、駅前の書店にはまず置いてないし、そこのポイントカードはたぶん期限までに貯まりそうもない。ということで、ときたま出掛ける某ショッピングモールのクマザワ書店で買うことに。というのも、そのモールには使い勝手のいいポイントカードがあるのだった。で、そう思いつつ数日間、やっとツレと徒然に行って見ると、ない、ない、ない。欲しいと思っていた本が一冊もない。あーあ、ポイントなどを気にしたせいである。いつもはポイントポイントとはしゃぐツレをからかっていたのになぁ。
 帰りがけに地元の書店を見るも、当然のごとくない。となると、やはりいくらボーッとしていても飢餓感に駆られる。
 といっても私は新刊本はアマゾンなどでは基本買わないのである。その件についてはまだいずれ。
 ということでのジュンク堂となったのだった。ここのポイントカードも持っているのだよ。
 で、まずは一階の雑誌売り場、一時市場から消えたという噂だけど、なんだ十冊以上あるじゃんの「本の雑誌三月号」、開いたら出てきた大森望さんの仕事部屋にまずは眩惑。
 しかしその周辺にアレとアレがない。だがその一方のアレは実は三階にあるということを事前に聞いていたので、ツツツと上り、「メタボゾン8号」。うん、皆さん載っておるぞ、とうらやましげに眺める。
 その近くに光を放っていたのが、藤田直哉さんの『虚構内存在』。表紙はまるでソラリスの海(ただしソダーバーグ版・なんでもソラリス病なのです)にも見える。すんごく難しいのだろうなぁ、と思っていたけど、ここでは頑張れば少しはわかるかも、といつもの「わかるかも作戦」を展開する。
 横にはスーパーで「今日はみんなで鍋でも食べよう」と買い物している感じのカップルが、カゴにどっさりと本を入れている。ううう、スゴイと思ったが、あとで椅子に座って合計金額をスマホで計算している彼らを目撃した。
 さて、残るはあと一冊、もしかするととSF作家クラブのイベント開催中のフロアにも上ってみたが、やはりない。うーむ、今日はモモンジとは出会えないのだろうか。少なくとも「もうポイントは付かない」(桃井かおり)のである。わかったかなぁ。
 というわけで続きます。