石を投げる相手

 この前の日曜日、いつものように公園を散歩していると、池の鳥に向かって石を投げている子供らを発見。しばし迷いつつも、いってしまった。
「おい、やめろ、投げるな」
 子供らは五人組で、石を投げているのはとりあえず一人だけ。でも他のメンツも興味津々っぽくそれを眺めていた。その興味が行動に出る前にと、タイミングを外すわけにはいかない。
 でもいった後は嫌な気分。結局は言葉の暴力だったのかもしれない。もっと近くでやさしく諭すことはできなかったのかと思いつつ、やや茫然として動きを停めている彼らに背中を向けた。
 そのあと、彼らが石を手にしなかったことを願いながら。石を投げる相手は、これから先、別に現れるはずだから。