壇上の夜07

 おっと忘れていた、ということで、東京會舘から二次会までの旅路はタクシーで、つつと、私が助手席に乗って地図を運転手さんに見せて、レッツら、ゴー。車内ではいろいろと危ない話を連発しつつ、岡和田さんによると、どうやら私はそうとうに腹黒い人物だとか。ええぃ腹デカいことはわかっていたが、それも黒いとは知らなかった。でも、まあほめ言葉と受け流すことにしませう。
 と、着いたところが、なるほど拘束した、じゃなくて高速下の商店街のとある店。今回は早川書房東京創元社の共催みたい。すでに皆さんお集まりのようす、すぐに乾杯の音頭となった。会場はL字型で、少々見晴らしが悪い。小心者の私は話し相手を探すのに四苦八苦。誰とでも定額、じゃなくて体よく話掛ければそれでヨシなんだけどね、ということはお開き近くで気づいた。
 そして終わりにようやく宮内さんの近くの席をゲットして、あーたらこーたらしゃべったはずだが、仕事上の内容もあるのでここではカット、というか、実をいうと酔いのせいではっきりとは覚えていない。
 時刻は午後十時を回っていた(はず)。昨年も雨の中、しばし彷徨って、でくわしたタイレル社のような巨大ビルに恐れおののいたけれど、今回、彷徨、ではなく方向感覚だけは機能停止してはおらず、すんなり有楽町駅に到着。「まほろ駅前」をしっかり観ることができた夜ではあった。
★某年某月某日、たこ焼き屋の夜の日、大阪の虹。