壇上の夜12

 間違いをぽろぽろとそこらへんにまき散らしている人生、今回もまたまたやらかしてしまいました。井手さん、すみませんでした。
 というわけで、ごめんなさいと、宴は続くのだが、私がビールの栓を抜いて注いだまま放置してたグラスは、誰も手をつけようとはしない。なもんだから、それをいいことに、責任を取ってグビグビ、グビグビとあおってしまう。
 やがてサイン会から解放された宮内さんも飲みのサークルに加わる。首から下げているのは、「胸に輝く秘密のペンダント」(このフレーズはたぶん誰も知らない)、ではなくて、かのクラインの壺でもなく、そう記念リングのメビウスの帯。今回の賞の正賞なのである。これは主催団体であるNPO法人「わたくし、つまりNobody」のロゴでもある。
 その写真は大森望さんがツイッターにアップしていたはずなので、見たい人は探してください。
 おっと、今気づいたのだけれど、賞のいわれを書き忘れている。これは文筆家であった池田晶子さんを発想にもとづき、新しい言葉の担い手に向けて贈られる賞で、今回はその第六回目。くわしくはそちらのホームページをご覧ください。