うーむの中に消えていく。

 SF短編賞の選考会はいよいよ佳境に。しばしの休憩をはさんで、どの作品を正賞とするか、優秀賞はどうするのか、個人賞はどれにするのか、といった展開なのだが、前半の活発さとまったく違って、それぞれの選考委員の口は重くなってしまう。ちょっとした一言が話を方向付けてしまうかもしれないので、当然のことだけど。
 ということで、上位の成績の作品についての分析がさらに進む。改稿ができるのか、展開に矛盾はないのか、科学的な裏付けは必要なのか、……といって点などなどが語られて、ゆっくりと論議は正賞受賞者は宮西さんの作品、というあたりに収れんしていく。
 個人賞の話になると、いの一番に日下さんは高槻さんの「狂恋の女師匠」を挙げる。ならばと大森さんは鹿島建曜さんの「The Unknown Hero:Secret Origin」に決まり。円城さんは与田Keeさんの「不眠症奇譚」を選ぶ。
 問題は優秀賞だったのだが、なん度か倉田さんの作品や仲間存さんの「すべてのまぼろしは舞台袖に消える」に言及がありつつも、うむむむ、うーむ、という空気がだんだんと深まっていき、そのうーんの中に優秀賞は消えていったのだった(個人的な感想です)。
 すべての受賞作が決定して、小浜さんが確認のために作品名と作者を読み上げる。残念ながら優秀賞が出ないので、それを受賞すると結婚できるというジンクスは今回はナシです、とのこと。あれオキシさんって、どうだったんだっけ。