武蔵浦和の流浪の民

 はるこんが終わって、とりあえずお茶でも、と茶店探しの旅に出る、しかし日曜の夕刻とあって、創元短編関係者様御一行、酉島さま、オキシさま、宮内さま、理山さま、編集の石亀さま、そしてオマケの私の合計六人を、ひとっ処に収容する店はなかなか見つからず、流浪の民はなぜか酉島さんの荷物をオキシさんが引っ張るガラガラという音を奏でながら、武蔵浦和の行く。
 最初に訪れた店はスタッフが確保してくれていたのだけれど、なななんとホールドマンさん夫妻の真ん前で、しかもそこに全員は座れず、もうしわけなくもご辞退することに。ごめんなさいね。
 駅前周辺で何件か覗くが、ほぼ満席の状態。で、四件目か五件目あたりで、ドトールか何か(記憶あやふや)の店外スペースを、某カップルのご厚意もあってゲットできたのであった。
 そこでやや冷たくなってきた風に吹かれながら、その中に舞う答えを見つめることもなく、よもやま話が満開となる。うむむむ、オジサンは程よい温度の温泉に浸かっているように、心地よいのだった。
 あっという間に時は過ぎゆき、理山さんは帰りの新幹線の時間、後ろ髪を引かれつつ(たぶん)、埼京線の人となる。
 このあと、はるこんスタッフの打ち上げに混ぜてもらうことになっていたが、思いもよらぬ苦行がそこに待っていようとは、暮れる夕陽に頬を染める面々の誰ひとりとして気づくものはいなかったのだった。