地図はどこへ消えた

 先日、ツレと銀座線の銀座駅と丸の内線の銀座駅をつなぐ地下通路を歩いていると、設置されている銀座界隈の地図の上に、やはり自分でネットからプリントした地図を重ね合わせて、それを横にしたり天地逆にしている若い女の子がいた。
 私はただ何をしているんだろ、と思っただけで通り過ぎようとしたが、おせっかい好きのツレは見ていられなくなったみたいで、二人して、メイ・アイ・ヘルプ・ユーとなった(相手は日本人だけど)。
 すると彼女は歩いて五分ほどの銀座通りに面した場所に行きたいのだが、わからないという。
 ここで福山某なら、わからないことがわからない、といってしまいそうだが、そういったら、泣き出しそうな雰囲気だったので、現在位置と出口と方向をしっかり丁寧親切に教えた。パチパチ。
 そして「ありがとうございました」と、しっかり丁寧感謝でお辞儀をする彼女ではあった。
 でもまた歩き始めて、ふと思った。
 あれだけの「装備」をしていて、ここはドコ状態に陥ったのだから、はたして本当に理解したのだろうか、と。うーむ、出口の近くにある交番の場所も伝えればよかったかな。
 ちなみにツレの方向音痴も彼女レベルで、家の中にいても、駅とかスーパーを指さす時は、決まって方向を120度は間違えている。