メビウスの夜 その二

 新宿ピットインでは後ろの方の席に座って、入り口近くを眺めていると、おおおっ、なんと神林長平さんご夫婦の姿が、うーむ、どうしようご挨拶しようか、でも短編一作、ショートショート一作、評論一作の田吾作ごときが近づいてもいいのだろうか。いや今回のblacksheepの新譜「∞メビウス」のネット上の紹介文では、なんと畏れ多くも御一緒させていただいているではないか。ご挨拶せねば、それこそ失礼。
 ということで、お二人の席に近づき、とーも、なになにかれかれですと、ご挨拶。
 と、頑張ってくださいね、との笑顔で言葉を返していただき、恐悦至極。かくして、SF的夜は音の出ぬ間から始まっていたのでした。
 ちなみに上記の紹介文とは、以前ここでも触れたと思いますが、そうそうたるSF作家のお歴々が筆を執ったもの。その中にどこの豚の骨との知らない私の名前があるなんぞ、自分で穴を掘って入りたくなってシマウマ、ですが、ホントはこの栄えある機会を与えていただいたバリトンサックス奏者の吉田さんに感謝なのです。