メビウスの夜 その七

 さて、メビウスの夜。新宿の夜の深淵に嵌まり込んで、脳内時間の進行具合もパラレルしたようで、blacksheepの演奏順はやはりバラバラの様子。
 さらにここで全曲をあーたこーだと書いていくと、自分のボキャブラの貧困さにあえぐことになってしまうので、このあたりで第一部はお開きに。
 しばしの休憩をハサミ、ピアノにビル・エバンスの姿勢のごとくに座りしは、DJまほうつかい(つまり西島大介さん)。またまた恥ずかしながら西島さんがこれほどのピアノ使いとは知らなんだ。
 スガダイローさんのピアノの音が、夜の灯りを受けて輝くスワロスキーの光ならば、こちらは(いい意味で)駄菓子屋さんの赤い飴玉が、夕方の陽の光を内に秘めつつ放つ光線のようなのだ。
 むむむむ、同じピアノで演奏しながらも、こんなにも奏でられる音が異なるとは、やはり音楽は、深い。
 私はSFマガジンに三号連続で「惑星ソラリス」について拙文を掲載させていただいたが、西島さんはその最初の号(2012年6月号)の表紙のイラストを描かれていた方なのである。(小さな声で)んー、メビウス
 ちなみにその号には「∞−メビウス」のCDジャケット内側の元になったイラストも掲載されているので、blacksheepファンは要チェックなのです。