五反田今昔ストーリー その十八

 とても長い時間のように感じられる沈黙があった後、父親は決心したように、力を込めてこういった。
 「大丈夫です。覚悟はできています。先生、はっきりいってください」 
 それを聞いて安心したのか、先生は両親をしっかりと見つめてからいった。
 「ただの酔っ払いでした。血も倒れた時に口を切ったものです。できれば、すぐにでもお引き取りください」
 

 ということで、こんな話に長らくお付き合いいただき申し訳ありませんでした。いろいろとご不満もございましょうが、今日のところは、これでお引き取りのこと、よろしくお願いいたします。