ハロウィンの夜 その三

 と、買い物から戻って、ハロウィンのお菓子配りが始まる午後6時まで、あと3時間ほど。まあ、余裕で準備できるしょ、と袋詰めとリボン結びは言いだしっぺのツレに任せる。
 で、しばしの後にその進捗具合をば見にいくと、なんとアレはチョウチョ結びではなく、なんといったらいいか、オレンジ色のリボンだったので、カニ結びなのである。そうコキコキ折れ曲がったリボンというか紐が、チョウチョというよりもカニになっていて、ひとつ一つの袋に付いていたのだった。
 これじゃ子どもたちが、「こわいカニ」(わかるかなぁ)と驚くのではないかと、作業中止でやり直し、しかし当方もまたチョウチョ結びはできず、そのリボンというか、紐をほぐして広げる作戦に変更。
 しかしさらに災難は降りかかる。5メートルもあれば大丈夫だろうと、なんの計算もせずに安心していたリボンというか紐が、足りなくなってしまったのだ。
 よってまた慌てて、長めに使っていた袋のものを、またほどき、それを二等分して結び直す。
 さらに不幸なことに、それも足りなくて、別のことに使おうはずの幅が広めのリボンで代用しようとするが、なんとその両サイドには細い針金が入っていて、切り口から飛び出てしまうのだ。
 南無さん。あっ、いけねぇ、これハロウィンだった。