ハロウィンの夜 その四
などとバタバタしつつも、38人プラスアルファ分のお菓子の袋を準備して、いたずら軍団の攻略に備えた。
と、定刻を5分も過ぎたあたりから、ピンポン攻撃の雨あられである。
「トリック・オア・トリート!!!!」
二十一世紀生まれのフレッシュな妖怪とか精霊とか魑魅魍魎とかが、機関銃のように口を突き出し、まくし立てる。
「おじさん、ニッポンジンでーす。意味わかりーません」
などといっても、敵兵はさらに絹を裂くようなギャオス声で叫ぶ。もうお手上げ、降参である。
その後も攻撃は波状的に行われ、こちらの実弾、いやお菓子がどんどんと少なくなっていく。
あちらの隊には年端もいかない少年兵ならぬ赤ちゃん兵が参戦していて、私はドコ、ここはダレ状態で、あたりをうろついている。もうダレにお菓子を渡したのか、渡していないのかわからなくなっていく。これも高度な敵の策略なのか。