不必要の必要 その二十三

 もちろんそんななんちゃって思惟の空虚さは、いわば見た目の問題である。しかしがきんちょ中学生もまた、友人の勉強部屋での見た目に大いなる衝撃を受けたわけであり、その影響からする行動も、見た目命的なものとなったのである。
 世の先達の読者家にすれば、まさにひよっこに過ぎないが、それでもそれ以降、まさに見た目の充実にと邁進するのである。
 で幾年月、今このパソコンを叩いている部屋の周囲には、市井の方を「ずごーい」といわせ、たぶん読者家には「へっ」という言葉をいただくほどに増えた本たちが並んでいるのである。
 途中経過を書きだすと、そのまま2015年まで続きそうなので割愛する。
 ここに至るまでの、いわば最初の核分裂の原子があの四冊だったということになる。