不必要の必要 その二十六

 ♪暦の上ではジャニュアリー、なんてことは完全無視して、ことを続ける。
 つまり書店は森なのである。そこでヒトは自分の食すべきモノを採取して、イエに持ち帰る。幸いにしてそのモノは基本的にクサることはない。まれに内容が腐ることはあったのしても。
 そしてヒトは、森での出会いを微かに記憶しつつ、イエで暮らしたり、他の森やそうでないところに出掛けつつ、日々を過ごし、ふと思って自身が作った書棚、つまり小森の前を過ぎる。そしてその枝にあるモノをふと(ふとだらけなのは意図的です)見て、その背表紙から内容を思い出したり、思い出さなかったする。憶えていなければ、手に取ってその中身を見る。するとまた思い出したり、思い出さなかったりする。そんなことを繰り返しつつ、本は読まれぬままに理解させていく。