冬のつるべ落とし

 
富士の高嶺に落つる日。
 
堤でその時を迎えたカメラマンとギャラリー。


 某日、ツレと近くの堤を歩いていると、三脚に載せたカメラを空に向けた人ひとり。その人の後ろに立って、やや屈みつつ望遠レンズの先を見たが、そこはただ空があるだけ。でもまあいいかと、そのまま散歩を続けると、その近くにいたおじさんが我々に「あれね、富士山に沈む夕日を狙っているんだよ」と話し掛けてくる。
 なるほどそうだったのか。でもまだ日没までは一時間ほどある。
 しかし冬の日もつるべ落とし。
 散歩を終えて帰ると間もなく日が陰り、太陽もストンと山影へと向かう。そんな日の二枚がこれ。