沖縄叙景 その五

 沖縄本島四日目からは南部の宿に泊まる。その道中に南城城跡(みなみぐすくじょうあと)を見学。これで世界遺産の五つの城のフルコース達成となる。
 この南城城跡は昨日の勝連城が急こう配の丘にあるのと違って、なだらかな場所に細長く築城されている。こういった城が15世紀には築かれたということは、シロウト考えだが本土の技術の200年ほど先を行っていたのではないか、と思う。
 この五つの城、首里城は復元された建物がその石積みの上に載せられているが、他はすべて石垣が残るだけだ。しかしその姿の方が荘厳に見える。たおやかな城壁の曲線は観ているだけでなぜか心地いい。
 沖縄の城の上に建てられた屋敷は復元図などを見る限り、小ぶりなものが多い。少なくとも本土の戦国時代のような「どーだ、すごいだろう」とあたりを睥睨するものではない。このへんの文化的な違いは興味深いところだ。と、あまり深堀せずにやり過ごす。
 ただ一つ今気づいたのだが、最後まで残った首里城の建物は別である。それもまたその時代まで残ったがゆえのことなのだろう。
 しかしなんだか沖縄に石積みばかり見に来た感あり、だなぁ。