本日の新聞から その四
さて、またくどいようだが、朝日新聞の記事には、こうあった。
「炉心が溶けてチャイナシンドロームになる」
チャイナシンドロームとは高温で溶けてどろどろになった核燃料が鋼鉄製の格納容器に穴を開けることで、全てを溶かして地球の裏側へ進む架空の事故を題材にした映画の題名が由来だ。
これは福島第一原発の吉田所長から、首相補佐官の細野さんへの直通電話を表現した部分だけど、チャイナシンドロームという言葉が映画の題名を由来とするとあるので、この二人は映画によって確立したこの言葉を、事故の事態のありさまとして共通認識することになった、と理解できる。
でもそれってあまりに変。
少なくとも吉田所長は映画の存在とは関係なく、この言葉を知っていただろうし、細野補佐官もその可能性は大だと思う。
ただこの記事を書いた記者は、吉田調書にチャイナシンドロームという言葉が出てきて、意味ぐらいは知っていたけれど(そう願いたい)、くわしくはわからないので、ネットで調べたのではないだろうか。そしてwikiを見て、自分のところから出ている知恵蔵にそうあったのだから、これでいいだろうと、この「説明文」を書いたのだと思う。
しかしホント、朝日新聞ってそのレベルなのだろうか。
全部は読んでいないけれど、今回の吉田調書に関する調査報道の意義はいろいろと突っ込み大部分はありつつも、大いに認めたいもの、でも取っ掛かりの記事で、こんな文面にお目に掛かると、いやはやという気分になってしまうのだ。