本日の新聞から その五

 さて、朝日の記事のチャイナシンドロームのことばかり書いてきたけれど、あのシシリーズの最初の回を読んで一番驚いたのは、事故後に九割の所員が第一原発から勝手に避難したこと。
 はて、この事態をいったいどう捉えたらいいのだろうか。
 自分などは昔から、つまりは学生時代の70年代後半ぐらいからは、原発はヤバイと思っていたし、たまにだけれど脱原発の集会にも一般市民として参加していた。だから、今回の事故もそれが発生してしまったことに驚きはなかった。原発のシステムはいったん暴走を始めるとすぐに人には手におえないものになってしまうことは、自分にとっては自明の理だったし、そもそも今回以前にもスリーマイル島チェルノブイリがあったわけで、かたくなに絶対安全なんていう言説をのたまう方々は、失礼ながらどこかのネジが緩んでいるか、それともウソをついているのか、あるいはその両方なのだろうと思っていた。
 そういった私のボンクラ頭が疑問に思うのは、知性のある技術者たちがなぜに原発の現場で働いているのかということだ。ほんとうに彼らは自分の近くにあるトンデモないものに日頃から危険というか、恐怖を感じていなかったのだろうか。