北の想像力への極私的歩み その一

 はい、『北の想像力』です。
 とうとう出ました。
 といっても、まだゆっくりと全国に浸透中といったところで、ネット書店には到達していません。版元は北海道は札幌の出版社である寿郎社です。
 私はこの中で札幌在住の作家、佐々木譲さんの作品を論じました。現在は警察小説の書き手として有名ですが、最近でも『獅子の城塞』で十六世紀末から十七世紀初頭にかけてヨーロッパで城造りに従事した日本人を描いたり、幕末・明治期初頭の北海道を舞台にした作品があったりと、その守備範囲は時代と舞台ともにかなり広めで、それはそのまま書き手の関心の広さでもあると考えます。
 今回、読者には意外と思われるかもしれませんが、上記の北海道を舞台にした作品群に触れたのちに、SF的な傾向がある初期の作品、『死の色の封印』と『白い殺戮者』、そしてその十数年ほど後に書かれた『牙のある時間』を取り上げています。
 価格は税抜で、7500円。おっとここで引かないでください。ちょっとした飲み会の二回分ぐらいで、一生分のお楽しみが手に入るのですから、お買い得といってもいいのでは(!!?)。ちと強引なのは重々承知ですが。