北の想像力への極私的歩み その24

 小田急電鉄は行く。あらかじめ調べて、メモにしていた乗り換えはすでに無効である。よって私は何度も目を細め、車内の駅案内図を確認しつつ、乗り換えブランを再構築するのだった。ガラケーで路線を確認するスキルは当然皆無。というか、そんなことをしようものなら、とたんに電池切れとなるはず。
 さて、路線は長き一本の線には違いないのだが、早く着くためにはいろいろと乗り換えなくてはならず、その乗り換えはまるで地方のローカル線の乗り継ぎのような味わいではある。そう辺境への旅。
 かくして東海大学構内には余裕で到達するはずだったが、時計を見ると開演ギリギリ。脳内にインプットしたはずの地図が時間経過と焦りで曖昧になっていたが、学生とおぼしき一団が前を行くので、それに付いていくことにする。
 道はすぐに上り坂になる。たしか案内では15分とあったはずだが、ここでの1分は都心のそれよりも長い。学生たちが前のめりの姿勢のようなのは錯覚か。道中には食堂が連なり、それか標となっている。しかし書店はあっただろうか。
 さらに坂はきつくなり、学生たちを先に行かせる。と、まもなく巨大な山城にも思える校舎が見えてきた。