宇宙博に行ってきた。その二十一

 「最初の宇宙ステーションはスカイラブ」的なことをどこかに書いてしまったかもしれないけど、それが打ち上げる二年ほど前の1971年に、ソビエトサリュートを軌道に乗せていた。これがいわゆる宇宙ステーション(もどき)としては世界初といえるだろう。
 その後、アメリカがスカイラブを、そしてソビエトはより本格的なミールを築いた。月を諦めたソビエトはその分、軌道上のインフラでは先行していたことになる。
 もともと宇宙ステーョンという概念は曖昧で、だいぶ昔からSF映画や子ども向けの科学読み物などにぎょうさん出てきて、それらは決まってある軸を中心に輪っかのようなものを回転させている。人々はまずそんな宇宙ステーションを想像するだろう。その中でもいちばん有名なのはもちろん映画「2001年宇宙の旅」でフロイト博士が月に行く途中に立ち寄るアレで、今までの例にもれずにしっかりと回転している。
 なぜ回っているかというと、もちろんこれで人工的に重力を作り出すというわけだが、ある資料によると、あの速度と回転半径ではとても映画で描かれたように歩行はできないのだという。
 まあ、どちらにせよ地球軌道上で重力が必要とされるのは、かなり先のことになるだろう。というのも、現在の宇宙ステーションでは無重力下での実験が大切な任務の一つなので、わざわざ重力を作り出す必要などないからだ。
 あっ、そうそうディスカバリー号でも居住区が回転していることで、重力を作り出していたね。うーん、ちゃんとした科学監修者はいなかったのだろうか。

★宇宙博の会場の天井からは国際宇宙ステーションの模型が吊るされていたけど、見あげると後ろの枠なんかといっしょになって、どこまでがステーションなのかよくわからない。