皆既月蝕拾遺 その一

 高校時代にはよく月の写真を撮っていた。それもちゃんと望遠鏡に一眼レフカメラを付けた、まあ天体写真としてはいちおう本格的なモノ。もちろん印画紙に焼くのも自分。フィルムの現像だけはちょっとおっかないので店に出したけど。あれ、本格的ではないかな。
 で大きく焼いた印画紙は木製パネルに張る。印画紙の隅をホッチキスで止めて、そのままだとダサいので上から紙テープを巻く。あの頃は緑と黒の紙テープがあったけれど、いまはどうなのだろう。今日日の天文部はきっとすべてパソコンに取り込んでしまうのだろうな。しかしあの暗室のツンとした匂いを嗅げないなんて、青春として損失ではないのだろうか。ないのだろうね。

★先日の皆既月食の欠け始めの頃の写真。すみません。日付が合ってませんね。