ストーカーもなんと先取り

 なんと半月も書いていなかったのか、とほほほ、と反省。
 で、前回の「私は二十歳」なんだけど、こっちが勝手に驚いたのは、テオ・アンゲロプロスの先取りだけではなかったのです。
 あの驚愕の冒頭シーンに続くのが、一見なんの工夫もなくのちに主人公だとわかる青年が、兵役を終えて家族の住むアパートへと帰ってくる場面。
 朝方らしいが、そこそこ人通りもあるそんな街を彼は軽快に歩く。その足音が、カンカンと木霊する。その音の響きが段々と強くなり、やがてリズムを刻むようになる、って、アレです。そう「ストーカー」で三人が無蓋車に乗りゾーンへと向かう、ゴットン、ゴットンです。あの心地よきノイズのたぐいが四半世紀も前にあったなんて、さて、この映画をタルコフスキーはどうみたのか、って出演してるんだけどね。