ふかまりゆくもの そのさん

oshikun2009-10-25

床屋談義 03

先日の床屋での話の続きの続き。

「そういえばビートルズのCDBOXが出ましたよね」
「あぁ、何か出たみたいだね、でもあんまり興味ないなぁ」
「でもお客さんの世代ってビートルズを聞いてたんでしょ」
「ギリ間に合ったというか、間に合わなかったというか、そんな感じかなぁ。ちょうど深夜放送を聴き始めた頃、ポールが解散についての裁判を起こすとか話題になっていたよ」
「うわー、すごい。生き証人ですね」
「おいおい」
「で、なんでCDBOXに興味ないんですか。音がいいってことですけど」
「やっぱりレコードで聞きたいんだよね。「アビイロード」の「アイ・ウォン・チュー」をA面の最後に聞いてちょっと疲れたところで、ひっくりがえしてB面の「ヒア・カム・ザ・サン」を聞いてホッと息をつく、なんてことはCDじゃできないだろ」
「じゃ、レコードで持っているアルバムはCDでは買わないんですか」
「他のアーティストなら何枚かは買ったかな。でもね、CDで聞くっていうのはなんかイージーリスニングって感じでさ。ビートルズに失礼なような気がするんだ。ちゃんとジャケットから出して、レコードプレイヤー回して、針を下ろすという儀式があってしかるべきだと、そう思っているんだな、少なくともビートルズに対しては」
ビートルズ狂っていうか、宗教の教の字でビートルズ教ですね」
「まあ、なんとでもいってくれたまえ」
「信じる者は救われる、ですね」
「少なくとも「お足」をすくわれることはないかな」★写真は左下『アビイロード』、左上『リボルバー』、右上『ヘイ・ジュード』、右下『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』の4枚。ちなみにこの『ヘイ・ジュード』の形でのCDは発売されていないようだ。タイトル横は『アビイロード』のレコード盤。赤い半透明盤であった。