ふかまりゆくもの そのよん

oshikun2009-10-26

床屋談義 04
床屋の話の続きの続きの続き
「お足をすくわれるといえば、学生時代はバイトで稼いだ金で、ビートルズのアルバムを一枚一枚ゆっくりと買い足していったなぁ」
「その頃のレコードっていくらぐらいだったんですか」
「いまのCDとあまり変わらないよ。2000円がほとんどだったな。なぜかCBSソニーレコードだけが2100円盤があったりした。」
「バイト代って時給どのくらい」
「よく憶えてないけど、400円から500円ぐらいかな。いまの半分だよ」
「じゃいまの感覚でいうと一枚のLPが4000円か6000円なんですね」
「そういうことになるね。いゃあ、驚いたね。そんなに高くちゃ、いまはちょっと買えないぞ」
「とても高級品だったんですね」
「そうだね。だから静電気を消すためにスプレーしたり、黒板消しみたいので汚れ取ったりしていたなぁ」
「黒板消しですか」
「そうそうそれにレコード針の汚れを取るっていって、レコード針クリーナーを使っていた。小さな丸い瓶に入った液体でやはり小さな刷毛が付いていたんだよ」
「メンテナンスが大変なんですね」
レコード針なんて200回ぐらいで交換しなくちゃいけないことになったけど、高級オーディオ買ったやつがいて、そいつの針が何万円かするわけ。だから計算すると一回レコード聞くごとに100円以上貯金しなくちゃならなくて、そいつ唖然としていたよ」
「すみません、いま僕が唖然としてます」★写真は左下が『ビートルズの軌跡』で、雑誌『ミュージックライフ』に掲載されたリアルタイムのビートルズの記事がまとめられている。右下は『ビートルズ詩集』だがあまり読んだことはない。上は結成10年を記念して開かれたイベントのパンフレット。結成10周年ってつまり1973年のことかい。タイトル横はそれぞれの表紙。『ビートルズの詩集』の表紙の四人はその頃としては仲良く見える。そして『ビートルズの軌跡』の表紙はもちろん『リボルバー』のジャケットからの転用だ。