ジョージ・マーティンは「サイコ」を観ていた。

 そして話は続く。テレビ番組の『美の巨人たち』では、ホッパーと「サイコ」の意外な関係について触れて、また当然のように映画のあのシャワー室での殺害シーンを、あの弦楽器をキュ、キュ、キュ(ああ、どう表現したらいいんだろ)を交えて流すのだった。
 で、番組が終わって私は気づく。いたた、間違えた。『美の巨人たち』はBS再放送を探せばいいのであって、ホントはNHK・BSのジョージ・マーティンの番組を観るつもりだったのだ。あーあ、新聞のテレビ欄から目を離すと3秒で、この「つもり」を忘れてしまう。
 で、慌てて、チャンネルを変えてその後半を観ていると、あの「エリナー・リグビー」のアレンジについて、何をモチーフにしたんだっけ、そうそうあの『サイコ』のシーンに流れるヤツだよ、みたいな話をしている。そしてまたあのシャワー室での殺害シーンが、テレビ画面に映るのだ。なんとまあ、ジャネット・リーは半世紀後の日本で、1時間のあいだに2度も殺されてしまったというわけだ。
 ええっと、「エリナー・リグビー」が入っているアルバムってなんだっけ。しかしあの曲、アレンジがとてもイイけど、それにも増してあのプロモーションフィルム(?)もみごとだよね。